フード写真撮影をするにあたっての基本的な10のテクニック

1.食材の選定 food

食材の選定は、フード写真の成功にとって非常に重要です。以下は、食材を選ぶ上でのポイントです。

  • 新鮮さ:新鮮で、美味しそうな食材を選ぶことが重要です。食材が見た目や香りが良くない場合、写真にもその印象が反映されてしまいます。
  • 形や色:食材の形状や色味は、写真にとって重要な要素です。例えば、色鮮やかな野菜や果物は、写真に映えますし、奇抜な形の食材を使うことで、写真にユニークな印象を与えることができます。
  • 質感:食材の質感も、写真に影響します。例えば、柔らかそうな焼きたてのパンや、シャキシャキとした新鮮なサラダなどは、写真に見ている人に食欲をそそります。
  • 目的:撮影する食材によっても、選ぶポイントが変わってきます。例えば、煮物や炒め物などは、具材が見えにくいので、具材の大きさや配置に注意する必要があります。また、デザートなどは、甘さや質感が写真に表現されるので、その点にも注意が必要です。

以上のポイントを踏まえて、美味しそうな食材を選び、写真に映えるように撮影することが大切です。

2.照明の工夫 lighting

ライティングは、フード写真にとって非常に重要な要素です。特に、自然光を使う場合は、時間帯や天候によっても光の強さや質が変わってきます。例えば、昼間の直射日光は硬く陰影が強いので、優しい明るさのある曇り空や窓から差し込む光を利用すると、柔らかい質感が出ることがあります。また、光の角度や方向を変えることで、食材や料理の質感や立体感を強調することができます。例えば、45度から光を当てると、陰影や立体感が出るので、より美味しそうな印象を与えることができます。

3.プレートの選定 plate

料理の盛り付けに使うプレートは、料理と一体化し、バランスの取れた見た目を作る上で非常に重要な役割を担っています。ここでは、プレートの選定について詳しく説明します。

  • プレートの色:プレートの色は、料理の色味と調和するように選ぶことが大切です。料理が主役であることを考えて、プレートの色はシンプルな白やクリーム色などを選ぶのが一般的です。ただし、時には料理に合わせたカラフルなプレートを使うこともあります。
  • プレートの形状:盛り付ける料理によって、プレートの形状を選ぶことが大切です。例えば、魚料理には長方形のプレートを使うことで、魚の形に合わせて盛り付けることができます。また、スープやパスタなどの料理には深めのプレートを使うことで、食材とスープが一体となった見た目を演出することができます。
  • プレートのサイズ:料理の量や種類に合わせて、適切なサイズのプレートを選ぶことが大切です。料理が小さく盛り付けられた場合には、大きすぎるプレートを使うと料理が寂しく見えてしまいます。逆に、大きな料理を小さなプレートに盛り付けると、料理がこぼれてしまったり、バランスが悪くなってしまうことがあります。

以上のように、プレートの選定は、料理と一体となった見た目を作る上で非常に重要なポイントです。料理の雰囲気や色味、形状、サイズなどを考慮して、適切なプレートを選びましょう。

4.構図の工夫 composition

フード写真は、美味しさや食欲を誘うような構図を工夫する必要があります。例えば、料理のアップにする、料理を真上からみたアングル、45度から見たアングル、背景に彩りのある食材を置く、料理の盛り付けや、背景につかう布や小物など、様々な工夫をして魅力的な構図を作り出しましょう。

5.フォーカスの調整 focus

フード写真では、焦点を合わせる場所を適切に決定することが大切です。

焦点を合わせる場所を適切に決定することは、写真全体の見た目を左右する重要な要素の一つです。例えば、料理の場合、見た目に美味しそうな部分を強調するために、焦点を合わせる場所を決めます。通常、料理の中央部分に焦点を合わせることが多いですが、料理の一部分を強調したい場合は、焦点を合わせる場所をそこに合わせることもあります。

焦点を合わせる場所を決めるには、レンズのF値を設定することで焦点の深度を調整することができます。F値が小さいほど、被写界深度が浅くなり、背景がぼやけて被写体が際立ちます。一方、F値が大きいほど、被写界深度が深くなり、全体的にシャープな印象になります。

また、焦点を合わせる場所は、料理の種類や形状、色彩、質感などを考慮して決めることも重要です。例えば、寿司の場合、握りの中心部分に焦点を合わせると良いですが、フルーツ盛り合わせの場合、果物の質感を強調するため、切り口部分に焦点を合わせることが適しているかもしれません。

6.背景の選定 background

背景は、料理を引き立たせる重要な要素です。背景に適切な色やテクスチャーを選ぶことで、フード写真全体の印象を大きく変えることができます。例えば、白い背景に色鮮やかな料理を置くことで、料理の鮮度や美味しさをより際立たせることができます。また、料理に合わせて、色や模様が入った紙や布を使うこともできます。ただし、背景が料理よりも目立ってしまわないように注意が必要です。

7.食材の調整 adjustment

食材の調整は、写真における盛り付けの重要な要素の一つです。写真に写る料理は、実際の料理とは異なり、二次元的な平面に映し出されます。そのため、食材の配置やバランスが重要になります。

例えば、高さのある料理の場合、低い位置に食材を配置することで、立体感を出すことができます。また、食材のバランスも重要で、色や形状を考慮して、バランスの良い配置を心がけます。食材の位置や向きを微調整することで、より美味しそうな印象を与えることができます。

また、盛り付けの際には、食材を適切な角度で配置することも重要です。斜めに配置することで、動きのある印象を与えることができます。また、料理の形状や質感に合わせて、食材を重ねたり、対称的に配置したりすることもあります。

さらに、食材を配置する場所によって、写真の雰囲気や印象が大きく変わることもあります。例えば、フードスタイリストは、背景やプロップスを活用しながら、食材の配置を調整することで、より魅力的な写真を作り上げることができます。

料理の盛り付けには、食材の位置やバランスを考慮する必要があります。例えば、高さのある料理には、低い位置に食材を配置して、立体感を出すことができます。

8.プロップス(小物・小道具)の活用 props

料理を盛り付けるときに、プロップスと呼ばれる小道具を使うことで、フード写真にアクセントや料理の雰囲気をつくりだすことができます。例えば、食器やグラス、カトラリー、ナプキン、ランチョンマットなどを選ぶことができます。また、調味料、スパイス、ハーブ、花、果物などを使って写真に色やテクスチャーを加えることもできます。ただし、プロップスを使いすぎると、写真が混雑し、見えにくくなる場合がありますから、適度な使用が必要です。

9.編集の工夫 edit

フード写真の編集は、撮影に使用したカメラやレンズ、照明の状況によって異なる場合がありますが、一般的には以下のような工夫があります。

  • 明るさとコントラスト:明るさとコントラストを調整することで、写真の色調を調整することができます。写真が暗い場合は、明るさを調整して、食材の色味を鮮やかにすることができます。また、コントラストを調整することで、影とハイライトの差を強調することができます。
  • 彩度:彩度を調整することで、食材の色をより鮮やかに見せることができます。しかし、食材の色を強調しすぎると、不自然な色味になる可能性があるため、適度な調整が必要です。
  • トリミング:不要な部分をトリミングすることで、写真の構図を改善することができます。例えば、不必要な空間を削除したり、食材の配置を微調整したりすることができます。
  • フィルターおよびエフェクト:写真にフィルターやエフェクトをかけることで、写真に特別な雰囲気を与えることができます。ただし、過剰なエフェクトをかけると、写真が不自然になる可能性があるため、適度な使用が必要です。

最後に、色味や明るさの調整など、編集の工夫をする場合でも、写真が自然な印象を与えることが重要です。写真の編集は、食材の本来の色味や質感を損なわないように注意して行い、自然な仕上がりを目指すことが大切です。

10.プロの写真家の作品を参考にする

プロの写真家の作品を参考にすることは、フード写真を撮影する上で非常に重要です。他の写真家の作品を見ることで、自分が目指すべき方向性や、撮影方法、照明、構図などを学ぶことができます。

プロの写真家の作品は、書籍や雑誌、オンライン上で見ることができます。有名なフードフォトグラファーや、有名な雑誌で紹介されたフード写真をチェックし、その作品にどのような特徴があるかを分析しましょう。

例えば、色使いや明るさ、コントラスト、照明の使い方、構図の決め方などを見ることができます。また、写真家がどのように食材や小道具を使っているかを観察し、自分なりにアレンジすることもできます。

ただし、他の作品を真似するだけでなく、自分独自のスタイルやアイデアを取り入れることも大切です。自分なりのアレンジを加えることで、よりオリジナリティのある写真を撮影することができます。

foodphotographer 中谷ヒロカズ

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